ある正月の、なごみ‥‥消えた
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小川の橋を渡り、タクシーが自宅に帰り着いた時、また雪が降り出した。 涼造が、なにげにポストを見ると、元旦に届いたのだろう、輪ゴムで束にされた二十通ほどの年賀状が入っていた。 新聞は、入院が決まった時点で販売所に連絡したので皆無だった。少々寂しさはあるが、年賀状の絵柄が紛らしてくれている。 しかしドアを開け、静寂と薄暗さに襲われながら、 「ただいま‥‥」 と、彼はつぶやいた。
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