プロローグ

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プロローグ

 子どものころ、童話のお姫様にあこがれた。女の子なら、誰でもきっと一度は夢見る。  白雪姫。眠れる森の美女。ラプンツェル。ロバの皮。白鳥の王子。宝石姫。そして、やっぱり一番はシンデレラ。  心の清らかな娘には、白馬に乗った王子様が迎えに来てくれる。  はとても美しく、大金持ちで、優しく、理想的な王子様だ。彼こそ、火乃香(ほのか)の待っていた人なのだろうか?  これ以上ない魅惑的な微笑みを浮かべ、彼は言う。 「僕のために子どもを生んでほしい」  火乃香は返事に窮した。  これは天国への入口か? それとも地獄への?  こんなことになった原因は、一年前——
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