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結婚
二人の日々は、まるで淀みのない小川のように流れて、結婚にたどり着いた。
「えと……あらためまして、よろしくお願いいたします。」
式を挙げた次の日の夜、旅先で夜の海を前にしながら、滝香は頭を下げた。
「こちらこそ、よろしく。」
レオは滝香の後ろ頭をくしゃくしゃと撫でた。
「あ! せっかく凝った髪型にしたのに!」
「いいじゃん、もういつもの滝香で。
観客はいないんだから。」
「そういうことじゃないんだよなぁー。
男にはわかんないんだねー。」
「うーん、確かにわかんない。」
二人はふふふと笑いあい、手をつないで滞在先の部屋に戻った。
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