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「本当は結果がちゃんと出てから楓に伝えようと思ってたんだけど、うれしくてつい言っちゃった。落ちてたら黙ってようかなとも思ってたけど、これでもう秘密に出来ないな」
楓の前だと本当格好つけらんないな、と廉が笑う。
「それ、大きい賞に出したやつだろ。柊馬から聞いた。凄いじゃん」
「受賞出来たらな。でも、もし万が一そうなったら、一番初めに楓に教えるよ」
「うん。約束」
スキー合宿の夜、そう約束された連絡を、後に楓は本当に受けることとなった。
その年発表となった新人賞に、廉の小説が選ばれたのだった。
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