untitled 011

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正座でしびれた足裏の感覚はすでに消え、面と向かえば説教ばかりする父親と名乗る人間を見下ろすと、部屋の隅で縮こまって震えていた男の身体はすでに動きをとめて、昆虫のように仰向けに転がっていた。私の手に握られた金槌が震えだすと、したたり落ちる赤い液体が畳の間に染みこんだ。
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