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「チッ。洒落が通じない、融通が利かないところは相変わらずだな」
「この前、そこが可愛いって言ってた人は誰かしら。他の人だったかしらね」
「俺以外にいるわけねぇだろ」
「悔しいけれど、仰る通りよ」
「ふふん」
「じゃあ、バレンタインデーに私から手作り本命チョコを贈る、を追加して、年間のスケジュール作成はざっと終了ということでいい?」
「いいぜ」
「ところで、柊?」
「ん?」
「二人で共通のスケジュール帳を作るという、あなたのアイデアがとても良いなと私も思ってるから、こうして相談し合ってるわけなんだけど。あなたがスケジュール帳の表紙に書いた『ささやかな望み』というワード、その真意を私ずっと測りかねてる。この過密スケジュールのどこが、ささやかなの?」
「はあぁっ? 何言ってんだ。どこが? どこが過密スケジュールだって? 春と夏と秋、あとクリスマスとバレンタインデーの予定を入れただけじゃねぇか。これ、まだ骨組み段階だろ。これから、ここにいろんな肉付けしていくんだろ。あと、『ささやかな望み』っつーのは、おそらくそんなことを言い出しそうな鈍感な鮎佳に俺からのアピールが込められてる。『どんな些細な出来事でも、二人で一緒に時間を重ねていきたい』って希望だ」
「すごいわね。一回も息継ぎしないで言い切った。それが腹式呼吸?」
「感動するとこは、そこじゃねぇ!」
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