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スノウホワイト 愛読ありがとうございます 2024.4.28
新年度を迎えてハイホー先生ほどではありませんがそれなりの仕事を与えられて東奔西走の1か月でありました。
前年度内に「スノウ ホワイト」完結できて安心しています。
この作品のテーマは「初恋」「テロ」でした。
「テロ」について真剣に考え始めたのは9.11のテロ以降でした。
テロによって死ぬってどういうことなんだろう?
テロをする側には理由があります。しかし彼らは事前に理由を公開しません。テロが終わった後に公開します。
それによって生きている私たちは『テロ』の意図を知ることとなります。
ではテロで死んでしまった人たちは?
彼らは自分たちがなぜ殺されたのか知る機会も与えられないままになぜこんな目に遭ったのか分からずに死んでいきます。通常の戦争であれば宣戦布告されるのに。
あらゆるテロの意図を知るのは生き延びた人間だけ。
私はそれをすごく怖いことだと思いました。たくさんの人が死ねば死ぬほどテロの意図は多くに知れ渡ります。
でも犠牲者は自分たちがなぜ死んだのかすら分からぬままに死ぬ。
まさに犠牲です。しかも自分たちの命を奪った側を利するための死になる。
「どういうことや」
明日死ぬのは私かもしれない。私の人生は形ばかり哀悼されて後はテロリストの主張ばかりがメディアにあふれる。
こんな悲しい死があるだろうか。
私が「テロ」について初めて抱いた気持ちです。
政治的な文章を綴るのはエブリスタ的ではないのでしょう。でも、テロとは何か。それは対岸の花火なのか。それを受けてしまったら運が悪かったで終わらせていいのか。
この作品で一番描きたかったのは濱井の死でありました。彼は善良に生き、無知ながらも世界は善意でできていると思っている。
そんな彼が何も分からぬままに死ぬ。何も分からないままに死んでしまった濱井の隣には何も分からなかったけど生き延びてしまった生徒会長その他の人々がいて、なぜあの時濱井は死んで自分は生きてしまったのかずっと考えながら生きていくことになる。
重尾はそんなあらゆる生と死を背負ってあれは何だったのかを追求する人生になるでしょう。濱井と重尾の人生の間にありとあらゆる生と死がある。
そんな思いを込めて描いた作品です。
うまくいったのか、定かではありませんが最後まで読んでくれた皆様には心から感謝しています
ありがとうございます
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