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瑠奈と夕美は高校三年生で同じクラスになり、体育の見学を二人でしたときに仲が良くなったのだ。 現在アラサー間近になっても二人は定期的に会い続ける、端から見たら理想的な親友だ。 夕美に恋人が出来、結婚したときも瑠奈は自分のことのように喜んだ。 瑠奈にもかつて恋人がいたが、それは学生の頃で卒業と同時に自然消滅をした。 それ以来恋人はいない瑠奈だが、自分のやりたい趣味や旅行を楽しんでいるので寂しいと思ったことはないのと月に一度の夕美との食事や過ごす時間で満足だった。 頭の中で、夕美と会える時間のタイムリミットを考えると切ないが瑠奈も子どもではないので落ち込むことはなかった。 いつものように、夕美との月一での会食は今回は赴きが違った。 「ラブホ女子会?」 「私、憧れてたんだよねー」 当日まで知らされていなかったので瑠奈は夕美の言葉がわからなかった。 「瑠奈知らないの? ラブホで女子会するの。予約してあるから」 「知ってはいるけどやったことないから」 「お泊まり会みたいなものよ」 「うーん。まあ、そうか。そうだね。はぁーラブホなんて久しぶり……」 「私は先週以来」 「この新婚さん」 瑠奈と夕美は高校生に戻ったかのように笑いあった。 「ねえ、本当に良いの? やっぱり私も払うよ」 「良いの良いの。ボーナス入ったし。私が相談無しに予約したし」 「わかった。ありがとう」 夕美が予約した場所はホテル街の中で一番値段が高く、すべての部屋がスイートルームの様だった。 夕美はホテルの鍵を受け取ると瑠奈の手を引いて部屋へと導いていく。 瑠奈は値段相応のホテル全体の綺麗さに圧倒されるばかりだ。 「私、こんなとこ泊まったことない」 「やっぱ『初めて』は綺麗なとこが良いじゃない?」 夕美はハンガーに上着をかけ、服を脱いでいった。 「シャワー浴びるの?」 「汗かいたから。瑠奈も浴びたら?」 「そうだね。泊まりだし」 「一緒に浴びない?」 「恥ずかしいからやだー」 「何を今さら言うのかね。この子は」 恥ずかしいと言う瑠奈とは反対に夕美は堂々と裸になった。 運動部に所属し引き締まっていた夕美の身体は少し筋肉がなくなり、触ると柔らかそうになっているのを瑠奈は驚いていた。 月に一度は会うとはいえ、裸を見る機会などなく、夕美が着痩せしていたことが意外だったのだ。 瑠奈は夕美の浴びるシャワーの音を耳にしながら、自分の腹を触った。  スポーツジムに通っているので引き締まっていた。 高校の頃は夕美の方が痩せていたので瑠奈は時代の流れを文字通り、肌で感じていた。 「シャワー次使っていいよー」 バスローブを着て、髪をタオルで拭いている夕美が出てきた。 「はーい」 夕美が先に居たために脱衣所はあたたかく湿った空気が漂っていた。 修学旅行を彷彿とさせる感覚と数年前の恋人と来ていた時代を思い出し、気はずかしさに瑠奈は笑った。どちらも10年近く前だが、すぐに思い出せるのはその記憶が好きだからだろう。 「なんだお風呂あるならお風呂入れればいいのに」 シャワーを浴びることしか考えていなかったので風呂の存在を瑠奈は忘れていたがシャワーで済ました。 瑠奈はバスローブだけと無謀な姿で脱衣所から出ると夕美に声をかけた。 「夕美、お風呂あとで入る? 広くて足伸ばせそうだよ」 だが、夕美はいなかった。 瑠奈はすぐに買い物であることがわかり、部屋のテレビをつけた。 テレビに備えられてる映画のラインナップを見るとお世辞にも見たいと思わないモノばかり。 AVチャンネルに切り替え適当に流した。 人妻モノで夫の同僚と関係を持ってしまったという内容だった。 女優の方は美人だが男優は顔があまり映らずハッキリとはわからないが、美形とは言えないタイプだらうと雰囲気でわかった。 強引な展開でセックスシーンに持ち込み、男優がズボンを脱ぐと画面越しでもわかるほど硬くなった男性器が現れた。 瑠奈は女優より男のモノを凝視した。 モザイクがかけられているが形はわかる。 「瑠奈はこういうのが好み?」 「うわっ!?」 「買い物から帰ったら一人でAV見てるからびっくり。しかも人妻といるのに人妻浮気モノ」 「いや、さすがに寂しいなって。ここが」 瑠奈は子宮付近を擦った。 「学生以来してなかったらね。瑠奈は臆病過ぎるんだよ。20代だけだよ優しくしてもらえて可愛がってもらえるの」 「わかってるよ。20代ってだけでまだ価値があることくらいは」 AVのセックスシーンが本格的になってきた途中で瑠奈はテレビを消した。 「せっかく盛り上がってきたのに?」 「夕美がいなかったから見てただけだよ。何買ったの?」 「ノンアルコールカクテルとおつまみ。あとは缶コーヒー」 「お金は?」 「私が出すよ」 「ありがとう」 二人はベッド脇のソファに並んで座りカクテルで乾杯した。 「いつまで夕美とこうして会えるのかな……」 「なんで?」 「いやだってアンタ結婚してるじゃん」 「してるね」 「家庭があるじゃん」 「あるね」 「忙しいじゃん」 「たまにね」 瑠奈の問いに淡々と夕美は答えた。 「別に夕美を取られたとかは思ってないよ。ただ寂しいってだけ……」 「ここが?」 夕美は瑠奈の子宮の位置を撫でた。 「違うっての」 「でも、寂しいんでしょ?」 夕美は瑠奈の子宮を撫で続けた。 「だからさー」 瑠奈の手が突然ゆっくりと引っ張られ、瑠奈は夕美に引き寄せられていた。 夕美の上に乗っかている形になった瑠奈は夕美の悪ふざけだと思い、離れようとするも、夕美は瑠奈の腰を腕抱きしめ離さない。 「夕美、離してよーそういうのは夫とやりなよー」言葉を受け、夕美はすぐに瑠奈を離した。 「やれやれ。おつまみ開けるよ」 瑠奈がテーブルの端にあるおつまみを取ろうと立ち上がったとき、夕美は瑠奈をベッドに突き飛ばした。 「な!? はあ!? 夕美ッ!」 瑠奈がベッドから起き上がろうとするも夕美は瑠奈の両腕を押さえつけて、それを阻止。 「夕美、何!? 悪ふざけ!?」 瑠奈が暴れるほどバスローブが乱れ、肌が見え隠れする。 夕美は何も言わずに瑠奈の両腕を押さえつけ、ジッと瑠奈の顔を見続けた。 「いい加減にしないと、お、怒る!」 突然、瑠奈の押さえつけられた腕が解放され自由になったかと思ったが、今度は顔を両手で包み込まれるように捕まれた。 瑠奈は夕美が取る行動をすぐに理解した。 夕美の唇が瑠奈の唇に触れた。 力が抜け、瑠奈は夕美のされるがままにキスの洗礼を受けた。 口の中で夕美が飲んでいたオレンジ味なカクテルの微かな甘味が舌から舌へと伝わってくる。 唇が離れるとお互いが繋がっていたことを表すかのように糸が引いた。 口を拭う瑠奈に対して、夕美はキスの味を楽しんでるかのように舌なめずりをした。
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