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「夕美、私のこと好きなの?」
口元を手の甲で隠しながら瑠奈は落ち着いて聞いた。
「『親友』だからね」
「いや、今の親友じゃないでしょ」
「そう?」
夕美のいつもと変わらない、それどころかいつも以上に楽しんでいる様子に瑠奈は苛立ちを感じた。
「私のこと本当は恋愛として好きで、でも親友の関係壊したくなくて今まで一緒にいたんじゃないの? 悪いけど、私は夕美を親友以外の目で見ること出来ないからね」
瑠奈は咄嗟に思いをぶつけた。
だが、夕美の態度は変わらなかった。
「私も瑠奈を親友以外の目で見ないよ」
「じゃあ、今の何?」
「……好きなくせに」
「はあ? だから私は」
瑠奈は再び腕を掴まれキスで口を塞がれた。
今度のキスは短かった。
「なんで抵抗しないの?」
「いきなりだったから……」
「出来たよね? 抵抗?」
夕美に言い寄られ瑠奈は気がつくと、うつぶせで夕美に覆い被さられていた。
「瑠奈、好きだよね。 セックス……」
「わ、私は……」
「私も好きだよ。でもね、恋愛は嫌いなの」
瑠奈のバスローブが一気に開かれた。
「ひっ……!?」
恥ずかしいより恐怖の感情が瑠奈の心を支配した。
「瑠奈は偉いね。身体鍛えてて、お腹引き締まってて。私はもうこんなに柔らかいよ?」
夕美の手が瑠奈の手を取ると服の上から自分の腹を触らせた。
「……柔らかい……」
瑠奈は無意識に夕美の腹を揉んでいた。
夕美の身体を改めて見た瑠奈は彼女の柔らかさで『女』を悟った。
経験は浅いが男の身体を知る瑠奈は男と女での身体にこのような差があることに感動すら覚えた。
瑠奈の顔を夕美の手が柔らかく触れる。
「今、どんな感じ?」
「柔らかい……」
唇が夕美の指でなぞられていき、瑠奈は催眠術にかけられたように夕美に触れられても抵抗しようとは考えられなくなっていた。
「瑠奈、綺麗」
夕美は瑠奈の唇に自分の唇を重ねた。
中には入らず唇をお互いの唇を甘噛み仕合う。
夕美は瑠奈の口を舌でこじ開け中へ入り込んだ。
飴を舐め転がすように瑠奈の舌を弄んだ。
瑠奈は乳飲み子のように夕美の舌を吸う。
「瑠奈、キス上手いね」
「普通だよ」
「いろんな人とキスしたけど瑠奈のキスが今のところ一番好き」
「これからも他の人とこんなことするの?」
「するかもしれないし、するかもしれない」
「旦那さん可哀想だよ」
「あの人は私を理解してるから大丈夫」
「こんなことを理解できるの?」
「あの人に私は受け止められない」
「じゃあ、なんで結婚したの」
「好きだから」
「夕美……アンタ怖いよ、んっ」
瑠奈の乳首に刺激が走った。
「こんなことしてる瑠奈も共犯だよ」
夕美は右手の親指と人差し指で瑠奈の右乳首を摘まみ、くりくりといじった。
瑠奈は反論が出来なかった。
性欲と好奇心に負けたことは事実だ。
最初は確かに夕美から仕掛けられた、だが、今は『抱かれたい』という気持ちで頭がいっぱいだ。
恥ずかしいという感情はない。
セックスに恥ずかしい感情を抱くのは初めてのときだけだ。
「抱いて」
瑠奈は声に出した。
それは瑠奈の覚悟の言葉だった。
「ふふ。瑠奈のそういうとこが好きで、私は貴女と親友になれた」
夕美は瑠奈の右乳首を舐めると少しずつ下に降りていき、引き締まった腹に舌を這わせた。
「瑠奈って嘘がつけなくて、いつも正直に言っちゃうから、よく怒られたよね」
「怒られ過ぎて覚えてないよ」
「私は瑠奈の正直なところが好き。『こんなに正直なら、きっと身体も嘘がつけないんだろうな』って思ってた」
「最低。そんな目で見てたんだ」
舌先で瑠奈の腹の窪みである、ヘソを舐めた。
「変なところ舐めるんだね」
「瑠奈は舐めないの? ここすごくエロいのに」
「舐めたことあるけどわかんない」
「もったいない」
ヘソを舐め、そしてさらに下に進み、ついにメインと呼べる場所に夕美の舌は辿り着いた。
「瑠奈のここ、綺麗」
夕美の舌が瑠奈の桃色の花弁を舐めた。
「……っ」
舐められて一番身体に動きが出た。
「濡れてる。布団に垂れてるよ? 最近1人でもしてないの?」
「そういうこと聞かないでよ。デリカシーないんだから……」
「セックスは平気なのに、自慰を聞くのは恥ずかしいのね」
「……してない。1人でもしてない」
「瑠奈はクリイキ派? 中イキ派?」
夕美の問いに瑠奈は答えなかった。
「もう、身体に聞くからいいよ」
夕美の舌が瑠奈の敏感な蕾に触れた。
「へえ、結構育ってるね。普段はここでイってるんだね。気持ちわかるよ。ここすごく気持ちいいもんね」
今度は右人差し指で撫でた。
「っ……あっ……んっ」
声を我慢しようとシーツを手でギュッと握るも、声は漏れだす。
「瑠奈は抱かれているときこんな感じなんだ。瑠奈の元カレ羨ましい。私が瑠奈の初めてを欲しかったな」
夕美は瑠奈が返事をしようがしまいが関係なく1人で話し始めた。
蕾を一通り撫でると今度は再び花弁を触り、それを開いた。
「待って、そこまでやるの?」
瑠奈は少し戸惑った。
恥ずかしいわけではないが、そこに触れたら本当に戻ってこれなくなる気がしたからだ。
「当たり前でしょ」
夕美は花弁の中に舌を入れた。
キスをしたときのように飴を舐め転がすかのように舌を這わせた。
夕美の姿を見ながら瑠奈は自分で両の乳房を触っていた。
『親友』であるとか『既婚者』であるといった罪悪感は今では快楽を促すだけの言葉でしかなくなっていた。
後悔はことが終わってからすれば良い。
今はただ、この行為を楽しみたい。
瑠奈の横に夕美が横たわり、指を絡めてきた。
手の中でもセックスをしている感覚に瑠奈の鼓動が速くなった。
夕美は瑠奈の胸に耳を当ててニコリと笑った。
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