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「私が言わないと停めたらいけないことに気付かないの? もうその時点でアウトだね。駐車場で大喧嘩してそのまま別れた」
「え……と、理玖くんの前は?」
「理玖の前は……淳弥。あいつはした後の反省会が超だるくて」
「反省会?」
「『今日はどうだった? 気持ち良かった?』って毎回聞かれるのがうざくて。で、『気持ち良かった』って言わないとすねて面倒なの。しないと機嫌損ねるからしただけなのに、毎回『良かったよ』って嘘つくのも疲れた。会うたびにそういう雰囲気になるのも、だんだん嫌になった」
くるみは苦笑いをしたまま言葉を失っていた。
「私、何か間違ってること言ってる? くるみも嫌じゃない? 反省会」
しばらく上の方を眺めて考えたあと、くるみはハッキリ言った。
「そういう細かいことが許せないってことは、最初から六花に気持ちがないんだよ」
遥斗は好きなアーティストが一緒で、気が合うなって思ったけど、においがダメだった。理玖はグイグイきて男らしいなって思ってたけど、マナーがなってなくてダメだった。淳弥は誰にでも優しくて気が利いていいなって思ったけど……相手するのがめんどくさかった。
私はふぅっとため息をついた。
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