魔族の娘と男子高校生

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服屋へと向かいながら二人は話して歩いた 「なんだか暗いですね、ここが街だなんて」 「まぁギリ街かな」 「へ?」 「ほらついたよ」 木造の柱が腐れかけており劣化が入った煉瓦に服屋と書かれていた 「本当に服屋?」 「見た目は悪いと言ってたからね、とりあえず入りましょ」 店に入ると電気もつかない劣化が入り古い状態の店であった。 「いらっしゃい」 奥の方から老紳士が出てきた。 「店主、ご要望にお応えしてくれる服屋と聞いたのだけれど、どんなのができるの?」 「高価格のなら、加護付き、魔法具、強化具ができるよ」 「じゃあ加護付きで。彼の服をお願い」 「上下セットでいいかい?」 「えぇ」 「じゃあ僕、こっちきて寸法測るよ」 「あ。はい」 老紳士はメジャーをもってミユキの服を図りながら話した。 「しかし加護付きを欲しがるとはね、お宅さん興味ないかと思っていたよ」 「私のこと、ご存じだったの」 「街外れのお嬢さんの噂がありましてね、まぁ察しておりましたよ」 「私もこんな近くにいるなんて初めて知ったわ」 「…?」 「魔族なんでしょ」 「えぇ」 「えー?!!魔族?!」 ミユキは驚いた。 「見た目は魔法で変えてますよ、当初は何されるか分からなかったものですが」 「こっち側からみたら魔力が人並み以上にあるからね、店の周りも結界だらけだし」 「身を守るためにやっているんですよ、それ以外に理由がありますか」 「それならまだいいよ、世の中のクソな奴は結界を貼り調合をしたり人身売買の拠点をしたりしてるからね」 「そちらはどうなんです?見たことない服装をしたその子は」 「…。」 ミユキは一瞬自分が転移してる人間だと言うべきか迷った。 「分からないの、近くの森で倒れてきた子を連れてきたから記憶もなかったみたいだし」 「…そうなのかい、嫌なこと聞いたねぇ、 じゃあ、寸法も終わったことだし加護はどうする?」 「私ので」 「あいよ」 数十分待ってから老紳士は奥から服を持って僕がきてみた。 「はい。これが加護付きね」 「ありがとう。ミユキ、ちょっときてみて」 ミユキは洋服に袖を通し着てみた。 「なかなか合ってるわね」 「メリッサさん、僕、お金は…」 「いいのよ、私からお祝いのプレゼント」 「ありがとうございます」 メリッサは店主に金を払い。店を後にした。 メリッサから買ってもらった服を着て、ミユキは家事をこなしていた。 「そういえばメリッサさん、加護付きってなんですか?」 「加護付き?加護付きは魔力を使った防具のことなんだけど、本来自分の魔力で防御するものを他人に対して使うことができるのよ」 「つまり、メリッサさんの魔力を使って僕を守ってるってことですか」 「ただ、加護付きは回数も決められてるからそれが終わればただの道具に戻るってこと」 「なんかごめんなさい」 「ミユキみたいな子は珍しい、からこそ人身売買の商人に捕まっちゃうから気をつけて」 (メリッサさんってたまに平気な顔して怖いこと言うよなぁ…) 「そうだ。ミユキもそろそろ魔法も慣れたでしょ?私がやってる魔法教えるよ」 「魔法を?でも僕…」 「えっーと、確かここら辺に…」 メリッサはマグカップと冷蔵庫から水が入った物を取り出し、僕の前の机に置いた。 「じゃあ今から見せるね」 メリッサは水をマグカップの中に入れ、マグカップの前の唱えた。 『水よ、上より冷たく下より熱くなりなさい』 すると、マグカップから湯気が出てきた。 「はい。水が白湯になったよ」 「え?」 ミユキがマグカップに触れると確かに暖かくなっていた。 「これが魔法ね」 「…すごいですね」 「まだまだ序の口よ、魔法は人の数だけ魔法があるからね、私が使っている魔法もミユキだったらもっと良くなることもある」 「魔法ってそんなに種類があるんですか、すごい…!」 「じゃあミユキもやってみよう!」 「へ?」 メリッサはミユキに同じことをやらせた。 しかし、ミユキはメリッサの魔法とは違ったのか、家の中が大惨事になった。
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