1・百年目の約束

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 つまり、この人は御曹司中の御曹司。  家柄、才能、容姿、すべてにおいて超一流なのだ。  もちろん、服装のセンスも素晴らしい。  見たこともないほど発色の美しいネイビーのスーツとサックスブルーのシャツにシルバーとブルーの細いストライプ柄のタイを合わせて、胸ポケットからさりげなくシルバーのチーフをのぞかせている。  ビジネス仕様ではあるけれと、その中にも優美さも感じさせるさすがのスタイリング。  でも!でも!でも!  いくら、モデル並みの美形だろうが、御曹司だろうが、スパダリだろうが、関係ない。  こんなふうにお膳立てされた結婚なんて、断固拒否!  運命の相手はぜったい自分の手で見つけたい。    それに、外国の、そんなすごい家に嫁入りするなんて、考えただけで気持ちが萎える。  気苦労が多すぎて、円形脱毛症になるに決まってる。
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