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中学からの女子校育ち+門限7時半という、前時代的な育てられ方をしてきたせいで、これまで男の子と付き合ったことはたったの一度もない。
短大出たら、いよいよ運命の人に出会えるんじゃないかって、期待に胸を膨らませていたのに……
だから見合いなんて、絶対イヤ!
財布は持ってきてないけど、タクシーで帰ってお手伝いさんに払ってもらえばいいや。
そう思って、長い袖をブンブンと振りながら、一目散に出口を目指していたら……
「おっと」
こっちに向かって歩いてきた人に思い切りぶつかってしまった。
どすん。
わ、倒れる……
あれ?
しっかり抱きとめられている。
すごいな、この人。
ものすごい勢いでぶつかったのに、びくともしないなんて。
「す、すみません」
「いや、こちらこそ。お怪我はありませんでしたか」
わっ、イケボ!
それも色気だだ漏れ系の渋い低音。
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