3・パリに行きます!

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 というのは第一印象で、後からはちょっと変わったけど。  でも、話がややこしくなるから、今は話すのやめとこう。 「そりゃ、あの顔であれだけの大金持ちだからね。でも薫もすごいよね。そんな人を前にして平静を保てるなんて」  いや、平静ではなかった。  ずっとからかわれて、腹を立ててた。  まあ、それも置いとこ。 「でもさ。あんまりにも話がうますぎると思わない? 何かよからぬ事を企んでたりしないかな? わたしをどっかに売り飛ばそうとか」  楓はぷっと吹き出した。  なに? ちょっと失礼じゃない、その反応。 「ははっ、それはないよー。ぜったいない。だって大して儲けにもなんないでしょ、薫を売り飛ばしても。それより念願のパリに行けるんだし、お相手は、超弩級スパダリイケメンなんだし、思いきって電話して言っちゃいなよ。『行きます』って」 「なんか、一生懸命勧めてない?」
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