1352人が本棚に入れています
本棚に追加
「ははっ、バレた? だって、薫が結婚したら、間近であのプリンスの御尊顔を拝めるじゃん。絶対、結婚式には呼んでよね」
結婚式って……
「楓。ちゃんと話聞いてた? だから結婚するつもりはないって」
「無理、無理」
楓は大げさに顔の前で手を左右に振った。
「いやー、無理でしょ、それは。あんなイケメンの傍にいて好きにならないはずがないじゃん。それに、正真正銘の許嫁なんでしょ? 彼みたいな人と結婚できるチャンスをみすみす棒に振るなんて、薫、ほんとどうかしているって」
「わたしはお膳立てされた結婚なんてイヤなの! それに金髪碧眼のフランス人と恋に堕ちるって決めてるの」
「出た。薫の金髪好き。でも、悪い事は言わないから、そんな雲をつかむようなこと言ってないで、身近のスパダリにしときなよ。そんな僥倖、普通はあり得ないんだから。奇跡だよ、奇跡!」
しとけもなにも……
最初のコメントを投稿しよう!