3・パリに行きます!

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「ははっ、バレた? だって、薫が結婚したら、間近であのプリンスの御尊顔を拝めるじゃん。絶対、結婚式には呼んでよね」  結婚式って…… 「楓。ちゃんと話聞いてた? だから結婚するつもりはないって」 「無理、無理」  楓は大げさに顔の前で手を左右に振った。 「いやー、無理でしょ、それは。あんなイケメンの傍にいて好きにならないはずがないじゃん。それに、正真正銘の許嫁なんでしょ? 彼みたいな人と結婚できるチャンスをみすみす棒に振るなんて、薫、ほんとどうかしているって」 「わたしはお膳立てされた結婚なんてイヤなの! それに金髪碧眼のフランス人と恋に堕ちるって決めてるの」 「出た。薫の金髪好き。でも、悪い事は言わないから、そんな雲をつかむようなこと言ってないで、身近のスパダリにしときなよ。そんな僥倖(ぎょうこう)、普通はあり得ないんだから。奇跡だよ、奇跡!」  しとけもなにも……
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