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でも、無条件で援助してもらうのはなんだかなぁ……
そういえば出世払いにすれば、とか言ってたけど。
しかし……
そんな日本語まで、よく知ってるな、あの人。
普通、いくら日本語得意でも、外国人は言わないよね。
「出世払い」とか。
まあ、とにかく、この借りは絶対返すことにしよう。
向こうでの生活が軌道に乗ったら、仕事も探すことにして……
そのためには、がむしゃらに勉強して、なにがなんでも調香師として成功をおさめなきゃ。
あ、そうか。
お金を借りることをチャンスと捉えて、勉強のモチベーションにすればいいんだ。
うん。ようやく迷いが晴れてきた。
で、水曜日の午後4時すぎ。
デッドラインぎりぎりで、わたしは彼に連絡した。
結論に至ってからも、もう一度、脳をぎゅーっと絞りあげるほど考えたけど、結局、彼の言葉に甘える以上の得策は見つからなかった。
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