ルイ•サイドⅠ

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 それがどうだ。  会ってみたら、まったくの予想外。    見たところは、黒髪でくっきりした二重の黒い瞳が印象的な、美しい面立ちの、典型的な日本の美少女だが……  中身は予想をすっかり裏切ってくれた。  薫は言葉だけでなく、表情や身振りで自分の気持ちを伝えてくる、感情表現がとても豊かな子で。  初対面だというのに彼女が考えていることが、手にとるように伝わってきた。  いや、実に面白い。    薫のようなタイプの子に日本で会ったのは初めてだったが、身近にはよく似た子がいた。  3歳下の従妹、ロザリー。  あまりにも元気がありすぎて、16歳でこの世からあの世へと、あっという間に駆け抜けていってしまった、可愛いロザリーに。  とにかく……  もう少しこの子のことをよく知りたい。  このまま、別れるのは惜しい。  そう強く感じ、留学を援助すると提案していた。
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