1・超快適な 空の旅

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***  日本の上空を離れたばかりのころ。 「機内食」などと言っては申し訳ないような、三ッ星レストラン級の豪勢な食事をとりながら、ベルナルドさんはわたしに尋ねてきた。 「そういえば訊いてなかったが、薫はどうして香水に興味を持ったんだ?」   「ahー」  よし、フランス語で説明してみようと思い、話しはじめてはみたけれど……  今の実力では、話がややこしすぎて、すぐに無理だと悟った。  わたしは上目遣いで彼を見て、おずおずと言った。 「Puis-je parler en japonais?(日本語でもいい?)」  でも、ベルナルドさんはお皿から目を上げ、わたしをちらっと見て、それからしれっと言った。 「non(だめ)」  わー、やっぱドSだよ、この人。  本性隠してたんだ。  
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