1・超快適な 空の旅

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「薫のフランス語もこのぐらいにならないとな」 「いや、それは無理ですって」 「おや? やる前から無理なんて言うのか、薫は」  うーーーーーーっ!。 「が、頑張ります」  もう、なんか超スパルタ家庭教師と旅してるみたい。  先が思いやられる……  これ以上、まずいこと言われても困るので、わたしは先を続けた。 「それで、ちょうどそのころ、香水に出会ったんです」  年上のいとこの部屋に遊びに行ったときだった。  淡いピンク色をしたガラス瓶に、一目で惹きつけられた。  キラキラ輝くラインストーンで飾られたそれは、まるでおとぎ話のお姫様の宝物のようだった。 「これなに?」 「香水だよ」と言って、いとこはわたしの手首に少しだけつけてくれた。 「うわー、いい匂い!」  香りを嗅いだだけで、こんなに晴れやかな気持ちになれるなんて!  同じ香りを楽しむものでも、香道とはぜんぜん違う!
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