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通りの脇にはさっきまでの近代的なビルとは違う、歴史を感じさせる石造りの建物が並んでいた。
街路樹はマロニエ。
左手には凱旋門の威容。
そして……
セーヌ河の向こうに見えるのは
もう数えきれないほど、夢のなかに登場した、パリの象徴、わたしの憧れの源泉、エッフェル塔！
「わたし今、本当の本当にパリにいるんですね」
お腹の底から感動が突きあげてきて、もう自分でも何を言ってるのかわからなくなっていた。
「早くエッフェル塔行きたいなぁ」
「これから寄ってもいいんだが。今日は疲れているだろう？ 今度の休みの日に連れていってやる」
ずっと窓にへばりついているわたしに向かって、彼は言った。
「ご心配なく。パリの地図はしっかり頭に入っていますから。ひとりで大丈夫です！」
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