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軽くパニックに陥っているわたしの腰に軽く手を添えて、エスコートしながら彼はホテルのドアに向かった。
大理石の柱や床が眩く輝くロビー。
壁面は、扉と同じ、赤みがかった木肌の美しい木が用いられ、それらを引き締めるロイヤルブルーのカーテンや絨毯が印象的。
そして、天井にはもちろん、クリスタルがふんだんに使われている豪華絢爛なシャンデリア。
ベルナルドさん、もちろん顔パス。
チェックインは当然スルー。
モーニングに身を包んだ初老の男性が、足音を立てずにそばに寄ってきた。
「彼女を部屋に案内して」
「ウイ、ムッシュ」
***
案内されたのは、ホテル最上階の、全体をペールトーンでまとめた可愛らしい内装の部屋だった。
でも、家具や調度はとてもクラシカルで、歴史の重みも感じさせる。
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