2・好待遇の見返りって、あり?なし?

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 軽くパニックに陥っているわたしの腰に軽く手を添えて、エスコートしながら彼はホテルのドアに向かった。  大理石の柱や床が眩く輝くロビー。  壁面は、扉と同じ、赤みがかった木肌の美しい木が用いられ、それらを引き締めるロイヤルブルーのカーテンや絨毯が印象的。  そして、天井にはもちろん、クリスタルがふんだんに使われている豪華絢爛なシャンデリア。  ベルナルドさん、もちろん顔パス。  チェックインは当然スルー。  モーニングに身を包んだ初老の男性が、足音を立てずにそばに寄ってきた。 「彼女を部屋に案内して」 「ウイ、ムッシュ」 ***  案内されたのは、ホテル最上階の、全体をペールトーンでまとめた可愛らしい内装の部屋だった。  でも、家具や調度はとてもクラシカルで、歴史の重みも感じさせる。
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