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ええい。まあ、何とかなるだろう。
もし無体なことを仕掛けてきたら、大暴れしてやる。
わたしは了承のメールを返した。
するとすぐに、コンコンとドアがノックされる。
廊下に通じるドアではない。
室内にあるドアだ。
鍵を外して開けると、ベルナルドさんが立っていた。
顔には笑みが浮かんでる。
「ここから出入りできるんだな」
「知らなかったんですか?」
「ああ、ホテルには私と婚約者の部屋を二つ取ってほしいと伝えただけだ」
うーん、それって、ちょっと怪しくないか……?
疑いの気持ちが、そのまま顔に出ていたんだろう。
ベルナルドさんはわたしの顔を覗きこんで、日本語で言った。
「夜這いをかけるとでも疑ってるのか?」
「夜這い……よく知ってますね。そんな言葉」
彼は右手を上げると、デコピンしてきた。
「痛ぁっい」
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