2・好待遇の見返りって、あり?なし?

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 ええい。まあ、何とかなるだろう。  もし無体なことを仕掛けてきたら、大暴れしてやる。  わたしは了承のメールを返した。  するとすぐに、コンコンとドアがノックされる。  廊下に通じるドアではない。  室内にあるドアだ。  鍵を外して開けると、ベルナルドさんが立っていた。  顔には笑みが浮かんでる。 「ここから出入りできるんだな」 「知らなかったんですか?」 「ああ、ホテルには私と婚約者の部屋を二つ取ってほしいと伝えただけだ」  うーん、それって、ちょっと怪しくないか……?  疑いの気持ちが、そのまま顔に出ていたんだろう。  ベルナルドさんはわたしの顔を覗きこんで、日本語で言った。 「夜這いをかけるとでも疑ってるのか?」 「夜這い……よく知ってますね。そんな言葉」  彼は右手を上げると、デコピンしてきた。 「痛ぁっい」
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