3・この、ほのかな甘酸っぱさって……

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 ルーブル美術館、パレ・ロワイヤル、マドレーヌ寺院、シャンゼリゼ、凱旋門、モンパルナス、カルチェラタン、モンマルトル……  地下鉄やバスも使ったけれど、歩けるところはとにかく歩いた。  自分の五感のすべてを用いて、パリを感じたかった。  整然とした街並み、石畳の道、バルコニーに飾られた花々、歩行者のファッション、カフェでくつろぐマダム、広場で愛を語らうカップル……  建物、看板、キオスク、ポスター……  右を見ても左を見ても、どこもかしこも素敵すぎて、スマホのシャッターを押しまくり。  疲れなんて、まったく感じない。  でも、エッフェル塔に行くのだけは我慢した。  姿が見えるたびに、行きたい気持ちは募ったけれど。    「薫がエッフェル塔を初対面する顔がみたい」ってルイが言ってたから。  せめて、そのぐらいのお返しはさせてもらわなきゃ。
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