3・この、ほのかな甘酸っぱさって……

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「そんな気は使わなくていい。ひとりでは心細いだろう。着いたばかりの異国で病気にかかったんだ」  そう言って、汗で額にくっついていたわたしの髪を耳にかけてくれた。  だから……  また熱が上がっちゃうって。  そんなことされると……  熱で潤んだ目で見つめると、ルイは柔らかく微笑んだ。  そのとき、ドアベルが鳴った。 「おっ、思ったより早かったな」  ルイがドアを開けるとドームカバーをかぶせた皿をワゴンを載せて、ベルボーイが部屋に入ってきた。 「Merci(ありがとう)」  そう言って、チップを渡すと、ルイは自分でベッドの横までワゴンをもってきてくれた。   「ほら、厨房に頼んで作ってもらったんだぞ」  そう言って、得意げな顔でドームカバーを外した。  出てきたのは、真っ白な……  リゾット?  あ、お粥……だ。 「日本では具合の悪いとき、これを食べるんだろう?」
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