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新しい部署に来て約1ヶ月。
ゴールデンウィークも過ぎて、太陽がどんどん高くなる。梅雨の前のこの時期、慌てた夏が間違えて駆けつけたように暑くなる。ここから夏の終わりまでが、1年で一番好きだ、と、元高校球児としては思う。
まぁ、社会人になってしまえば、スーツがひたすら暑いだけだけど。
時刻が正午を回り、社内が一応昼休みに入る。
昼飯どうしようかなと立ち上がったところで、廊下を歩いてきた人物と目があって声をかけられた。
「あっ、的場くん!おつかれ」
「澤田さん、お疲れ様」
「的場くん、4月から法務だもんね、近くなったからよく会うよね」
「うん、まあ」
内心、またか……と思いながら、邪険にならないギリギリの態度をとるのは、一応俺ももう大人だからだ。
法務の面々は一斉に昼休みを取ったりしない。隣の席の時任さんは誰かに呼ばれて離席中で、峰岸さんは一心不乱にキーボードを叩いている。
邪魔にならないように、とりあえず廊下に出て出入り口から離れると、澤田が露骨に嬉しそうについてきた。
つーか面倒なんだよなぁ、こういうの。
女の子が、可愛いを取り繕うのが可愛いと思えないのは高校の頃から継続中で、さすがにまずいかなぁとか、最近は思い始めてはいるけど。
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