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「でもさー?なんかひどいよね。指導係なら下を見るのは当然なのにさ、早く早くって。的場くんまだ、部署異動して間がないのに。さっさとデータ送って、一緒にご飯行こ?うちの課もさー、三十路過ぎのお局っていうの?怖い先輩がいてさー……」
「いや、俺は……」
こいつと昼飯食って、で、なんの話をするんだ?それともただ、だらだらと、その先輩の愚痴でも聞かされんのか?
なんでちょこちょこ声をかけられるのか、理由は分かっていた。好意を向けられてるというか、要するに狙われているというか。
好かれているんだろう、ということは分かる。ずっと分かっていた。わりとよくある話だし。
だけど。
やっぱり全っ然、興味持てないんだよなぁ
時任さんの、愛想がないからってなに?
笑わないから、態度が冷たく見えるから、だからなに?
その向こうに明らかにある上質な気配を、感じ取れないような感性に興味が持てない。
くだらないよな、本当に
まかり通っている上辺だけの評価なんて
時任さんはたぶん、めちゃめちゃに優しい人だよ。
来たばかりの、ものになるかも分からない後輩にも、ちゃんと目をかけてくれるし。
「昼はいいや、報告書チェックもらったら、すぐ手直ししたいし」
「え、でも」
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