3/5
前へ
/148ページ
次へ
「そのつもりだったんだって」 「そもそも婚活ですらないわけ?」 「そうですね」 「なんで急にこんなことに?!」 エキサイトしている。 え、ここ、そんなに声張るほど重要なとこ? よく分かんないなぁ、と思いながら、一応、当事者なので会話に割り込んでみる。 一応さ、もう、彼氏なんで。 「それは俺が告白したからですね」 「告白……?あなたが、夏菜子ちゃんに?」 「ずっと、なんならもう夏くらいから言ってはいたんですけど、ようやく本気にしてもらえたのが最近って感じです」 目の前の人は大きく丸く目を見開いて、束の間フリーズした。 「私、全然知らないよ?!」 「そりゃ、言ってないから」 「えええ!なんで??なんで秘密なの?」 「だってあんただって、自分のことで精一杯だったじゃん、去年は特に」 「そうだけどー!」 えええ〜とまた嘆いたその人は、なにを思ったか、ぎっっと睨みつけてきた。 「的場くんっ」 「え?あ、はい」 「夏菜子ちゃんのどこが好きなの」 「ええ??いきなり?」 「いきなりじゃないんでしょ、ずっと前から好きだったんでしょ」 「そうですけど」 「夏菜子ちゃんのどこが好きなのよ」 「どこって……」 「私の夏菜子ちゃんの!素晴らしさを!あなたはちゃんと分かってんの?!」
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

133人が本棚に入れています
本棚に追加