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「そのつもりだったんだって」
「そもそも婚活ですらないわけ?」
「そうですね」
「なんで急にこんなことに?!」
エキサイトしている。
え、ここ、そんなに声張るほど重要なとこ?
よく分かんないなぁ、と思いながら、一応、当事者なので会話に割り込んでみる。
一応さ、もう、彼氏なんで。
「それは俺が告白したからですね」
「告白……?あなたが、夏菜子ちゃんに?」
「ずっと、なんならもう夏くらいから言ってはいたんですけど、ようやく本気にしてもらえたのが最近って感じです」
目の前の人は大きく丸く目を見開いて、束の間フリーズした。
「私、全然知らないよ?!」
「そりゃ、言ってないから」
「えええ!なんで??なんで秘密なの?」
「だってあんただって、自分のことで精一杯だったじゃん、去年は特に」
「そうだけどー!」
えええ〜とまた嘆いたその人は、なにを思ったか、ぎっっと睨みつけてきた。
「的場くんっ」
「え?あ、はい」
「夏菜子ちゃんのどこが好きなの」
「ええ??いきなり?」
「いきなりじゃないんでしょ、ずっと前から好きだったんでしょ」
「そうですけど」
「夏菜子ちゃんのどこが好きなのよ」
「どこって……」
「私の夏菜子ちゃんの!素晴らしさを!あなたはちゃんと分かってんの?!」
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