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私の夏菜子ちゃんの素晴らしさ、て、躊躇いなく言ったよこの人。 つーか、こういう実力ある系の美人にマジになられると妙な迫力あんな、どうしよう。 異様な圧にどう答えたものかと考えていると、横からにゅっと、ドリンクメニューが差し出された。 「亜紀、攻撃的すぎ。初対面でなにやってんの」 「だ、だってさあ?!」 「まぁとりあえず、もう少し穏やかに飲もうよ」 「私、どうせ飲んだってさほど酔わないもん」 「知ってるけど」 隣を見る。 左手で頬杖をついた時任さんが、いつもの黒くてはっきりした目で、真っ直ぐ、柔らかくない視線を前に向けていた。 ああこの人、親友にも、こういう目をするんだ。そりゃそうか、親友にこそ、取り繕ったりしないのか。 「いいから、とにかく、落ち着きな」 時任さんから、冷ややかな気配が流れ出る。 しばらく固まっていた片山さんは、しゅんとした様子で微かに唇をとがらせ、小さく返事をする。 「……はい」 目の前では片山さんが、面白くなさそうに、差し出されたメニューを見下ろしている。いつの間に飲んだのか、さっき来たばかりだったはずのグラスは、確かにもう空いていた。
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