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そうなのだ、不本意にも可愛らしいと評されがちな外見とは反して、俺はどちらかというと、白黒はっきり結論付けたいタイプで。 どっちつかずのまま緩やかに終わらせるのは、いまいち収まりが悪かった。 実質的には3年生の活動が終わる年の3月、不定期ながら頻繁に行われていた飲み会でみんながいい具合に酒に浸り切った頃を見計らって、真澄先輩の横に移動した。 「お疲れっす」 「あー、的場くん」 「結構飲んでます?」 「んー?そうでもないよ」 真澄先輩の頬は赤らんでいたけれど、正気を保ってないほどでもなさそうで、これならいいだろう、と思う。 「もうそろそろ、3年の先輩方は来なくなっちゃうと思うので、一応言っとこうと思うんですけど」 「うん、なに?」 「結構前から真澄先輩が好きなんですが、俺と付き合ってもらえませんか?」 居酒屋の座敷の壁際で、両膝を抱えながら、俺はグレフルサワーのジョッキを持っていた。 「え、ええ?」 いつも動じない目が少し見開かれる。 その様子を間近で見ている今を、噛み締めながらもう一度言う。そんな顔を見られるのは……今日が最後かもしれないから。 「俺は、真澄先輩が、好きなので、付き合って、欲しいです」 冗談でも酒の勢いでもないと証明するように、一語一語くっきりと発音する。 「的場くんが、私を?」 「はい、気付いてました?」 「全然?」 「そっかー……ことさら隠してるつもりも、なかったんですけどね。先輩は今、彼氏います?」 「いない、けど」 けど。
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