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結婚式
五月の曇りなき空に、色とりどりの花が舞う。ここは瀬戸内のガーデンフレンチレストラン。「海の見える」が謳い文句のこの店からは、確かに、きらきらと日光の反射する穏やかな海が見える。
「みちるちゃん、貴文さん、おめでとう!」
「おめでとう!」
純白のウエディングドレスに身を包んだみちるは、両サイドで花をふりまいてくれている友人たちに、はにかみながら笑顔を向ける。
この日のために生きてきたのだ、とみちるは思う。そう、この日がたぶん頂点だ。あとはきっと、下る一方。
隣にいる貴文の顔を盗み見る。声援に応えている横顔は、やっぱりかっこいいな。好みだな。
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