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休憩時間、私はおもむろに教壇に上がった。
「美緒ちゃん、何々?」
「ぎゃふんと言わせるの?」
七、八人の生徒が教壇の周りに集まる。遠巻きの人たちも、その視線は一点、私に集中している。
気分はやはりよかった。私は重々しく袋から、アマガエルの入ったビニール袋を取りだした。
「きゃ!」
「いや、嫌い」
などと澄ましかえる生徒が何人かはいた。
が、大多数は顔をこわばらせながらも期待のこもった熱い目で私を見つめている。
教壇の上にアマガエルを放し、とぼけた表情で歩きはじめるそいつの上に、歯磨き用のプラスチック製のコップをかぶせた。
チャイムが鳴る。私たちは大急ぎで席に戻る。
カエルはいつも、最後のチャイムが鳴る頃にドアを開ける。まるで正確に測ったかのように。
今日もカエルはそうやって教室に入り、教壇の机の前に立った。
期待が膨らむ。
明らかにやつの視線は、机の真ん中に逆さに置かれた赤いカップに注がれている。
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