任務

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数日後また問題が起こった。 秋空のハッキング情報によると、悠太はスマホに遺書を書いていた。 皆んな驚愕し、いつもより必死に何をしたらいいのか考えていた。 秋空が神妙な顔で口を開いた。 「殺人が失敗し、憎しみをどこにもぶつけられなかったんだろう……」 圭も頷きながら、皆んなが思っているであろう事を口に出す。 「悠太すごく苦しんで、結局こう考えたんだろうな……。俺らも少し責任あるよな……」 皆んな胸が押さえつけられた。 ーー遂にその時が来た! 二手に別れた。隣の校舎の屋上と飛び降りるであろう本館の屋上に。 悠太は予想どうり本館の屋上に来た。 悠太は屋上のフチに立った。悠太の髪は風でなびいていた。早く早くと風は悠太の服や髪をひっぱる。 覚悟を決めた悠太はその場に靴を脱いだ。俺達は息を呑んだ。 計画どうり隣の校舎の屋上で圭が、眩しいくらい光るように改造したペンライトを両手で持ち、音楽を鳴らしオタ芸を披露する。 ライトの眩しさや人に見られている事で一瞬身体が後に引いた時に準備している太郎が、確保する作戦だった。 悠太はこちらの想像どうり、後に一瞬怯み身体を引いた。俺は確保するはずだったが、体勢を崩し悠太を掴むどころか押してしまった。 悠太の身体はそのまま屋上から真っ逆さまに落ちていく。悠太のおびえた顔が見えた。 皆んなが大声で叫ぶ。 ーー悠太!! 私は腕を伸ばしたが届かず、悠太の怯えながら落ちていく顔を思い出す。私の伸ばした人差し指からキラキラしたビームがでた。 無意識に時間を戻す力を使ってしまった。 ーー失敗は……みんなに怒られる。 巻き戻しになり、皆んなさっきの事を知らない。 私は悠太を捕まえたまま時間を再生した。皆んな悠太が私に確保され無事である事を喜んでいた。 悠太は皆んなが喜んでいるのを見て声を出して泣いていた。 秋空が悠太の肩を軽く叩きながらゆっくり諭す。 「悠太……あんな奴の為に罪を犯したり、お前が命を落とす必要はない!」 それを聞いた悠太は秋空の顔を見た。 秋空は、悠太を見て微笑む。 悠太は、秋空達の仕業で犯行を回避された事を悟り、また涙を流す。 「お前達だったのか……。ありがとう……」 悠太は暫く泣いていたが、屋上を後にする時には、笑顔になっていた。 なぜだか私の胸も温かく感じた。 またも地球防衛隊は、任務を完了した。
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