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2週間。
同じような毎日を送っていた。
学校では東に絡まれ、毎日昼飯の場所も変えているのになぜか突き止められるし、話しかけられないよう早く教室を出て帰ろうとしても追いついてくる。
休み時間も話しかけてくるし、超鬱陶しい。
家に帰ったら自己中で傲慢なDom…もとい父親の奴隷になる。
家に帰って勉強して、飯を作って風呂に入って、数日に一回父親の部屋に呼ばれる。
それに加えてたまにバイト。
バイトの日はなんのバイトかと東に詮索され、帰ったら父親に遅いと言われる。
ストレスが1日中続いている感覚。
相変わらず慢性的な寝不足は変わらないし、目元の隈も消えない。
むしろ酷くなってきた気もする…そう感じた矢先。
「…なんか隈酷くね?」
2人きりの昼休み、面と向かって言ってきたのは勿論東だ。
気の所為だと言い聞かせていたけれど東に言われてしまっては事実だと認めざるを得ない。
「…別に、気の所為だろ」
「いや?元からあったけど最近余計酷いよ」
元からとか余計なんだよ…と思いつつ、なんとも思っていないような顔をする。
「何かあった?」
「別に。気の所為だってば」
「プレイ不足とか?」
原因を当てられてしまって、思わず反応してしまうところだったが何とか抑える。
けれどここで黙ってしまってもむしろ怪しい。
「…別にそんなんじゃない」
「あ、それは嘘の時の反応」
「何言ってんだ」
ぐびっとお茶を飲み込む。
「俺、別に付き合ってやるけど」
「何の話?」
「プレイに決まってんだろ。パートナー…いや、擬似パートナー?」
想像しただけで鳥肌が立つ。
…し、クラスの奴らや、何より父親にバレたらどうなることか。
「馬鹿言え」
「本気だって」
「なら尚更いらない、迷惑だ。二度と言わないで」
そう言って俺は荷物を持ってその場を去ろうとする。
「困ったら俺に言ってくれればいいから」
軽く東の方を睨んで、すぐに早足でその場を去る。
困ったら、なんてただの戯言だ。
どうせSubを好きなようにしたいだけ。
気持ち悪い、うざいうるさい、俺に干渉しないでくれ。
そう強く言い出したいけれど、それが出来ない俺自身に心底苛立った。
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