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「萩香」
そう呼ばれて俺は返事をした。
風呂も済ませてまた自室で勉強している時のことだ。
嫌な予感がした。
夜に父が俺の名前を呼ぶ時は、大抵俺にとって良くないことが起きる。
それでも無視するわけにはいかない。
…と言うより、無視したところで起こることは同じ。
「…何、ですか」
「部屋に来なさい」
「…は、い」
嫌だとか、そんなふうに拒否することは出来ない。
風呂から上がって部屋着になった父についていく。
1週間に1度は絶対にある、お決まりの流れ。
俺も父も父の部屋に入ると、ガチャっと音を立てて部屋の扉が閉められる。
俺はぐっと息を飲んで目を瞑る。
「…“Kneel”」
そんなコマンドに、俺は従いたくなくても勝手に床に座り込んでしまう。
嫌だ、従いたくない、そう思うけれど体が言うことを聞かない。
目の前のDomに逆らうのが、酷く怖い。
「“Lick”」
嫌だ、そう拒否する気持ちとは裏腹に体が勝手に動く。
カチャ、と音を立てながら父の履くスラックスと下着を下ろして、まだ大きくないソレを口に含む。
それに褒めることもせず、淡々とプレイを続けようとする。
Subが命令に従ったらDomは褒める、Subのしたくないプレイはしない、セーフワードを決める…。
DomとSubのプレイにおいての数々の基本事項を全て無視して、父親は俺にめちゃくちゃなプレイを要求する。
俺は、こんなプレイ好きじゃないのに。
俺の頭を掴んで、喉の奥までソレを飲ませる。
ゔ、なんて汚い声が漏れるけど、父は俺の頭を押さえる手を離さない。
怒られてしまうからちゃんと舌も動かして、必死に鼻で酸素を取り込む。
にがい、くるしい、きもちわるい。
無理やりなフェラ、暫くすると口の中に精子をばら撒く。
「ちゃんと飲めよ、汚れたら面倒だからな」
ようやく解放されて、口の中のものを吐き出しそうになる。
吐き出したい、苦いし気持ち悪い。
でも飲み込まないと、怒られてしまう。
ごく、と無理やりに体内へソレを飲み込む。
アンタが出したものなんだから自分で片付けろよ。
思ったことは口にするはずもなく、零れそうな涙も必死で抑える。
その後は、いつもと同じ。
ベッドに2人沈んで、コマンドを使われて、褒められることも無く俺の体は目の前の父親に支配された。
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