episode⑥

17/20

6562人が本棚に入れています
本棚に追加
/159ページ
「これは…最高級お肉でございますか?お肉の味が美味しい…」 モグモグと当たり前のコメントを発した私に呆れることなく 「店で聞いた通りだな…ヒマラヤ岩塩、買って正解」 雅も美味しそうにお肉を頬張る。ステーキとサラダだけのディナーだが、温かいうちにお肉を食べたいし、シャンパンも飲みたいし、ケーキもあると言うのでちょうどいい。あれこれ一度にたくさんは食べられないもの。 「こんなにしてもらったら、来月の雅の誕生日のハードルが上がるなぁ」 「結愛が一緒にいてくれるだけでいい」 「それはもちろん一緒にいるけど…」 「今日は誕生日とプロポーズのダブルパーティーだからな」 「うん…」 お肉を食べ終えて、シャンパンを飲みながら考える。 「雅のプランをもう一度聞かせてくれる?」 「うん?今後のプラン?」 「そう」 「来月クリスマスに入籍。結愛がここに引っ越しするのは仕事の都合でその前後。来週、俺の親に会ってくれるか?そのあと両親同士にも会ってもらう」 日にち順に並べると、雅の実家、両家の顔合わせ、雅の誕生日、クリスマス入籍…そのどこかで引っ越し。 「俺のプランは結愛に合わせて変更可能だよ」 「いきなりだけど…変更をお願いしていい?」 「いい。そうしよう」 「…聞いてから言ってよ」 「100%受け入れる」 「あのさ…入籍なんだけど」 「ん」 「雅の誕生日にしたい」 「結愛…最高の誕生日プレゼントだな。それ以上何もいらない…ありがとう」
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6562人が本棚に入れています
本棚に追加