episode⑥

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大きな物でないところに少し安心しながら中身を出す。 「スウェット?トレーナー?」 「広げてみて」 中身は鮮やかなロイヤルブルーのトレーナーみたいだけど 「わぁ…すごい…こんなのあるの?あったかそう」 そんなに分厚いわけではないのにVネックの後ろに白い羊の毛のようなモコモコが見えた。 「中がモコモコってこと?」 「背中と袖だけね。前がそれだと太って見えるでしょ?袖をこうして折り返して白いモコモコを見せて着て」 「可愛い…ブルーのサンタさんだね」 「でもVネックですっきり着られるわよ」 カジュアルでいて、人と被らないような服。着心地も良さそうだ。 「ありがとうございます。たくさん着ます」 結局今日は外に出なかったので、雅は朝と同じ場所へ迎えに来てくれた。 「朝のプレゼント、ありがとう。お昼につけてみたの。好きな香りだった」 「ん、良かった」 「総務の皆さんに豪華弁当をご馳走になって、咲哉さんと玲にもプレゼントもらったの」 「良かったな」 「うん。セーターじゃなくってスウェット生地だけどあったかくて洗える、一番扱いやすい物で嬉しい。モコモコが可愛いし」 「後で見せて」 「うん」 どこかへ食事に行くのかと思っていたけれど、車は雅のマンションの駐車場へと静かに滑り込んだ。車は置いて出掛けるのかもしれないね。
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