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大きな物でないところに少し安心しながら中身を出す。
「スウェット?トレーナー?」
「広げてみて」
中身は鮮やかなロイヤルブルーのトレーナーみたいだけど
「わぁ…すごい…こんなのあるの?あったかそう」
そんなに分厚いわけではないのにVネックの後ろに白い羊の毛のようなモコモコが見えた。
「中がモコモコってこと?」
「背中と袖だけね。前がそれだと太って見えるでしょ?袖をこうして折り返して白いモコモコを見せて着て」
「可愛い…ブルーのサンタさんだね」
「でもVネックですっきり着られるわよ」
カジュアルでいて、人と被らないような服。着心地も良さそうだ。
「ありがとうございます。たくさん着ます」
結局今日は外に出なかったので、雅は朝と同じ場所へ迎えに来てくれた。
「朝のプレゼント、ありがとう。お昼につけてみたの。好きな香りだった」
「ん、良かった」
「総務の皆さんに豪華弁当をご馳走になって、咲哉さんと玲にもプレゼントもらったの」
「良かったな」
「うん。セーターじゃなくってスウェット生地だけどあったかくて洗える、一番扱いやすい物で嬉しい。モコモコが可愛いし」
「後で見せて」
「うん」
どこかへ食事に行くのかと思っていたけれど、車は雅のマンションの駐車場へと静かに滑り込んだ。車は置いて出掛けるのかもしれないね。
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