episode⑥

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「結愛、バルーンとライトに囲まれてストリップショーしてくれるのか?」 私がバルーンの飾られた壁際のソファーの辺りでセーターを脱ぐと、キッチンから雅が笑う。 「うん、このキャミは脱がないけど?」 「残念」 「玲たちからもらった服に着替えてバースデーディナーをいただこうかと思って」 「いいな」 「あとでこのバルーンと写真撮って。玲にお礼と一緒に送るよ」 「喜ぶな」 ステーキを焼くと言った彼だが、先に冷蔵庫からテーブルへ何やら運んでいるようだ。 「手伝うよ」 玲が言ってたように袖を折り返しながらキッチンへ向かうと 「ストップ。結愛はソファーで‘まだ?’‘早くして’とか言ってドーンと座ってて。先にシャンパンサービスに伺います、お姫様」 雅がシャンパンのボトルを私に見せた。 「なんて贅沢な誕生日だ…」 ソファーまで後ろ向きのまま後退して、ストンと腰を下ろすと、ゆらふわとバルーンたちが揺れ私の心も踊らせる。 「ん」 私にふたつのグラスを持たせシャンパンを注ぐと、ひとつを手にした雅は 「誕生日おめでとう、結愛。今日ここにいてくれて嬉しい」 とグラスを合わせた。 「ありがとう、雅。もうすでに素敵な誕生日だよ」
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