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「結愛、バルーンとライトに囲まれてストリップショーしてくれるのか?」
私がバルーンの飾られた壁際のソファーの辺りでセーターを脱ぐと、キッチンから雅が笑う。
「うん、このキャミは脱がないけど?」
「残念」
「玲たちからもらった服に着替えてバースデーディナーをいただこうかと思って」
「いいな」
「あとでこのバルーンと写真撮って。玲にお礼と一緒に送るよ」
「喜ぶな」
ステーキを焼くと言った彼だが、先に冷蔵庫からテーブルへ何やら運んでいるようだ。
「手伝うよ」
玲が言ってたように袖を折り返しながらキッチンへ向かうと
「ストップ。結愛はソファーで‘まだ?’‘早くして’とか言ってドーンと座ってて。先にシャンパンサービスに伺います、お姫様」
雅がシャンパンのボトルを私に見せた。
「なんて贅沢な誕生日だ…」
ソファーまで後ろ向きのまま後退して、ストンと腰を下ろすと、ゆらふわとバルーンたちが揺れ私の心も踊らせる。
「ん」
私にふたつのグラスを持たせシャンパンを注ぐと、ひとつを手にした雅は
「誕生日おめでとう、結愛。今日ここにいてくれて嬉しい」
とグラスを合わせた。
「ありがとう、雅。もうすでに素敵な誕生日だよ」
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