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episode⑦
「玲、ちょっと相談なんだけど…いい?」
私はお弁当を食べ終わったんだけれど、玲のところへ行くと彼はちょうど食べ始めたところだった。
「いいわよ。どうかした?咲哉が休みの時に聞くことかしら?」
咲哉さんと玲は店舗が週末も営業していることもあり、不定休という感じでお休みを取るので今日は咲哉さんがお休みだ。
「そういう意味じゃないんだけど」
「うん」
「土曜日に玲の実家に行くの」
「もちろん聞いてるわよ。あたしもね、10年の一人暮らしのあとで、夏に実家に戻ったところなのよ」
「うん、そうなんだよね。で…当日はオフィスカジュアルのようなスカートとジャケットでいいと思う?雅は‘いい’って言うけれど、どれでも‘いい’って言う疑惑があるから」
「うふふ…あるあるだわね」
「うふふ…じゃなくて、玲はどう思う?」
「いいわよ。今日の服でもオーケー」
「…緩いね」
「何が言いたいかっていうと、何を着てるかは問題じゃないのよ。うちの親は人の中身重視よ」
「そっか」
「さらに言えば、あたしと雅が結愛ちゃんを誉めて気に入っている時点で問題なし。もしバニーガールの装いで行っても喜んで一緒に写真を撮ったあと‘風邪引かないで’って言う人たちね」
「バニーガール…」
「そうよ?休日に弾けたい気分だったのねぇ、くらいで終わるわよ」
そこまで聞くと、スカートとジャケットでいいと思える。私は金曜日の夜は自分の実家に帰って、近所の和菓子屋さんで手土産を用意してから土曜日を迎えた。
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