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私は乗せてもらった道を楽々と進ませてもらっているが‘夫になりたい’と言ってくれた雅には世界一幸せな夫になって欲しいので、仕事以外にも力を注ぎたい。
世界一幸せな夫というのは、婚姻届を出した瞬間の話ではなく一緒に生活して、一緒に生きていく上でのことだもの。
両家の顔合わせも無事に終了して、いよいよ雅の誕生日に私達は入籍する。彼が私の誕生日にしてくれたような大がかりなサプライズも、プレゼントも出来ないけれど、私なりにこの日の準備を整えた。
「雅、お誕生日おめでとう」
「ありがとう、結愛」
「まずは…雅に婚姻届を選ぶ権利をあげるね。どっちがいい?」
「選ぶ?」
「見て」
私は彼の前に全国一律の婚姻届と、ピンクのラブラブ感満載の婚姻届を広げた。しかもどちらも雅以外のところは記入済みだ。
「結愛が準備したのか?」
「そうだよ」
「うちの親も俺に何も言わなかった」
「私が黙っててって言ったもの」
「どちらも記入して、こっちは提出。こっちは記念に永久保存版にする」
嬉しそうに言った彼は、普通の届けを提出してピンクの届けを保存するらしい。
「了解。雅が記入を失敗したら予定は狂うよ?頑張って書いて」
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