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「えー、ひどーい! ラインとかメールとかくれたら良かったのにー!」
自分のことのように怒る奈緒の言葉に、紀子は軽く笑った。
「そうね。だけどママの子どもの頃は携帯電話もなかったし、ラインもメールも出来なかったの」
今みたいにもっと手軽に連絡出来る手段があれば、彼女たちはちゃんと、誕生日会には行けないと連絡をくれただろうか?
今ほど手軽ではないけれど、当時だってクラスの連絡網で電話番号は分かったはずだ。
「でもね、しようと思えば電話は出来たと思う。二人はね、多分、うちに来るつもりも連絡するつもりもなかったのよ」
「そんなのひどい! そんな人、友だちじゃないよ!」
「そうね、ママは友だちだと思っていたけど、二人はそう思っていなかったんでしょうね」
「あれ? でも、それじゃあ最高じゃなくて、最低な誕生日じゃない?」
「そうよね、最低だよね。でもね、まだ続きがあるの。それからどうなったと思う?」
紀子はゆっくりと続きを話した。
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