第一話 出発準備

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だけど、王はそれが嫌だから、次々戦いを挑み、土地を手にするけど、ツリーは、人間の精気がほしいだけだから、別に王の事はわれ関せず。 そして、全ての王を殺した頂点に立った王は、寝るんじゃなくて、正もこんも使い果たしたから眠ってしまった。 ツリーは国土から得る精気がなくなり、最後の生き残っている王を食う。 だから土地が死んでしまうのか? 俺たちが最初見た、城の周りが荒野のように見えたのは、あいつが食いつくした後だからか?王は住む所だけ守り、民は知らないから、外へ外へ向かうしかないのか? 「最後は何もなくなるから、残った王宮を飲み込む?」 そうか、だからその前にほかの国を手にするために戦争を吹っかける。 民はただそれに翻弄されるだけか。 「はー、たぶんそうだろうな」 「じゃあ俺たちが逃げたとしても関係ないんじゃないか?」 「だからおかしいんだ、何故西側から島が消える?」 そうか。 「まさかとは思うけど、あの目玉が海を渡っちゃうとか?」 「「「あー!!!」」」 なに! それだ。海を渡らなくても船に乗り込めば。 まずくないか? 今なら、おふれを出せばいい、目玉が気になる前に退治すれば。 「俺たちも」 「行かなくちゃ」 「まてまて」 「ちょっと落ち着きましょう」 今の話はあくまでも仮設でそうだという決め手はない。 焦って動いて、雪の中で死んでもばかばかしいだろ?動くときはちゃんと準備ができてからのほうがいい。 ガタンと音を立て座り込む二人。 佐々木君は二人に酒を注ぎながらこんな話をした。 「俺たちが元いた国も島国で、周りには大きな島があって、大国からしてみれば、なんだこんな島って言うようなところだったんだ」 日本という島国は、たった百年前に隣の大きな国へ戦争を吹っかけた。戦いは勝利し天狗になったものたちは、欧州の言いなりになり、世界を巻き込んだ大きな戦いに破れた。一気に貧しくなった国。だが世界に近づきたい一心で国中の人が目的を掲げてそれに向かっていたんだ。 でもそれがだんだんいい生活をするようになり、戦争があった事すら忘れられ、別にどうでもいいという一部の若者であふれていった。 するとあることがおき始めた、少子化という問題が起きたんだ。 なんだそれは? 子供を作らなくなったんだ、そうなると何が起きると思う? つらい大変な仕事をしなくなる、農業がだめになる。ひいては食料がなくなり他の国から買うようになった。 買えるのならいいんじゃないか? 買えるうちはね、でもひとたび、なにか、まあ戦いが起きたとしよう、すると力のある国が買い占めを始める、小さな島国は、結局は大国にのまれる、俺たちがいた時はまだそれはなかったけど、確実にそれが近づいているのに、誰も関心を持たない。今の自分がよければいい、俺もそうだった。 夢はあったけど、実現することにはなからあきらめていて、どうせ何もできないなら、このまま今さえ楽しければ、この先何もなければそれでいいと思って過ごしてきた。 俺が思うに、国自体傾いても、誰も気にしない国だった、俺もその一人。 隣の国が、ロケットを飛ばせば、自分だけが助かりたいから、国へ何とかしろといい。 災害が起これば、引き起こしたのは誰かのせいだと人に擦り付け合う。 ひとたび小さな病原菌が広がれば、我先にと、予防注射を、させろといい。仕事は休み、人間は感染するから外に出てくるなと言われ、おかしくなる人も出始めた。 死にたくないのはわかるが、それでいいのだろうか? 毎日仕事場と家だけの往復、スマホを離さない生活に、食事すら作れないで、買ってくるだけで腹を満たしていた。 俺はここへ来ていろんな事を考えるようになった。そして、今ここにいて、何もできないことが悔しい。 でも志村さんのそばにただいる事はやめようと思った。 俺は、生きるために、俺ができる精いっぱいのことをする、それが俺の今この世界で生きる目標だから。と佐々木君が言う。 俺はこの世界に転生してきたせっかくの命を、また死ぬまで、精いっぱい使っていきたい、そう思えた。 俺が生きるのは生きたいと思うからであって、誰にも阻止できない。 だから俺は生きる。 「生きたいんだ」 俺は佐々木の背中をさすってやった。 「なあ、一つ聞いてもいいかな?」 ノスコールさん。 「これ、魔物だよな?」 肉をさしたものを持ち上げる。 「これ食って魔物になるか?」 「あーそうだな、どうしてかな?」 やっぱりそこには何か知らないことがあるのかもしれないな。 支度をはじめ、モノがだんだんとなくなってきていた。 最後は、簡単なもので過ごせるようにした。
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