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第二十三話 新たな冒険
そして、俺は、子供たちを連れ、あの原っぱへ来ていた。
クリンとジルの頼みは、あそこで祭りの踊りをしてほしいというお願いだった。
そして俺はそのときできた大木を見上げていた。
佐々木君と何の木かわかるかと首を曲げていた。みんなにも聞くがなんだかわからないという。
とにかく疲れた。
一日島は静けさの中に板、皆疲れ果て、眠っているのがわかる。
そして次の日、できなかった祭り、そして他の島から手伝いに来てくれた人たちの歓迎会をしたのだ。
それが終わると、弓を持った男たちが、対岸へ向け矢をいった。
橋に火をつけないように対岸へ着いた炎は島を赤く染めていった。
全てが終わったわけではない、俺たちは気が抜けない半年を送ることになる、ただいまはダークツリーを退治できたことだけを喜んでいたのだった。
「遠くへ行くなよ!」
ハーいい天気だ、俺は木の下へごろりと横になりました。
全てが終わり、俺は子供を連れ、原っぱへ来ていました。
しばらくすると、暗くなって目を開けた。
俺の上に人影ができていた。
パチン。
ん?
おでこを叩かれたような気がした。
知らない女の子が俺を覗いていた。
俺はにっと笑うと、彼女もにっと笑った。
「たーっち!捕まえた!」
「私、鬼?」
「鬼、鬼、逃げろー」
俺は体を起こし、遊ぶ子供たちの姿を見ていた。
あれ?あの子?
その女の子を目で追っていた、彼女、どこかで会ったような?
三人が何かを手にしています。
麦?
それを見ておれはこの世界に落ちてきたときの事を思い出した。
そうだ、あの子は、あの男の子に突き飛ばされ、俺に転びながらも手を伸ばした子。まさかな?
似ているな?あの男の子にも。
金髪がはねている。
髪をかき上げた時、おでこに何かついていた。葉っぱか?と思ってみいると、それは千円札。
は?
まさか?
そして上を見上げた。
そうか彼女があの時投げたものは白熊が食べたあれ、桃葡萄?の種だ。するとあの子は白熊の化身?それはないな、ラスボス?いやいや、それなら…迷宮か?いやなものを置いていったな。
白熊の石が木になった。俺はその木を見上げている。
使い方は任せるといったというが、使い方かー?
千円札を眺めては、遊ぶ子供たちを見ていた。
まあいいか、このままで。
俺は金をポケットに入れようとして考えた。
「ハハ、もういいや、お前、いらねえし」
ゴロンと横になり俺は千円札を見ていた。
異世界、この先何が起こるか?
まあわかんねし、生きるきゃないしな。
ぺしんとその木に千円札を貼り付けた。
「せめてこの木がみんなの腹を満たすものだったらせわないのにな」
その時吹いた風が、千円札をさらって行った。
俺はそれを見ていたんだ。
「パパ―」
「起きた!」
「よーし、今度は俺が鬼になるぞー、悪い子はいねえがー」
キャー!
母ちゃん、俺、親になったよ。
んで、こっちの世界で元気でやってらすけ。
子供たちの笑い声を追いかけたのだった。
話はここでおわりかと思っていたのだが、ダークツリーはたおしても根本の事が終わっていない、まだ俺たちはいつ襲われるかもしれないという恐怖のもと暮らすことになる。
俺は教会で奴隷の事を聞いていたのだった。「なぜかな?」と首を曲げる人。
「クリンはもういいんですよね!」
ジルとクリンの腕から奴隷の紋が消え、二人は解放されたことに喜んだが、ノスコールさんの恋人の腕からそれは消えていない。
それと、俺が出会った多くの人もまだ消えていない。
それだけなら不思議には思わない、引っかかっているのは、クリンを売った奴隷商の名前。
俺のボードからはまだ消えていない。
クリンは腕の印が消えただけで喜んではいるのだが…。
そして、それは唐突に起きたんだ。
「ママ、それ何?」
お風呂に子供たちとはいっているときに、マイに言われ腕に目がいった。
それは忌々しい模様。
クリンは気丈にも、何でもないと言っていたけど、俺を見ると大粒の涙を流し抱き着いてきた。
一度消えた、奴隷の紋用がまた浮かび上がったんだ。
金は保険で入れてあるから気にしなくてもいい、ただ、クリンの気持ちが…。
何時この島へ死神が来て人を連れ出していくかもしれない、それはクリンだけじゃなく、この島にすむものすべてに恐怖を与える事となる。
俺たちはそんな物がやってこないようにするためにももっと周りから来るものに目を光らせなくてはいけなくなったのだ。
「俺が守らなくて誰が守るんだ!」
俺はそう誓えるようになったのだった。
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