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第九話 目の前に現れた魔物
人がいない?
嘘だろ?
兵士たちは我先にと逃げ出したのです。
兵士といっても寄せ集め、上の者は下がいなくなれば何もできないのです。
上官たちは、慌てて門へ行き、中へ、上の人に聞こうと走りだしました。
ガチャンとまだ時間ではないと近衛兵にとめられた上官達は必死で訴えます。
するといい匂いがしてきました。
それに誘われるように動く人たち。
みんな大したものを食べていないので、匂いに誘われ歩き出そうとします。
すると、四人の男が近寄ってきます。
兵士たちは身構えます。
一人はメガネをかけた細い男で、エプロンをつけ、背中にはカバンを背負っています。
他の三人も似たような恰好で、手には鍋を持っています。
「お疲れ様です」
「お前らは何者だ?」
俺たちは旅の商人です、実は○○さんに兵士たちにおいしいものを作ってくれないかと頼まれたのですが、聞いてください、兵士がいなくて、助かりました。
というと、彼らは、門の前にいる近衛兵の前に行きました。
「お、おい!」
「おかしいな、この人たち、瞬きしませんよ?」
え?
兵士たちもまた集まると同じことを言ったんですが、兵士たちを見ません。
おかしいな?
兵士が手を上げ、目の前で振った時です。
びゅん!
あぶねーな!
槍を振り回しました。
「みんな下がって」
眼鏡の男は持っている鍋を兵士に預けると、腰から何かを取り出しました。
丸いものを近衛兵に向かって転がしたのだ。
すると二人はガシャンと音を当て座り込んだかと思うと四つん這いになり、奇妙な声を上げ始めた。
「グルるるー」
「がうー」
低い声にみんなが下がり、兵士の一人と、鍋を持っていた一人が、みんなの前に出ました。
「やっていいよな」
「お願いします!やっちゃってください!」
魔物、二頭を倒しました。
黒い粉になり風に乗り、魔物は消え、残ったのは頭の骨だけです。
兵士の上官は何が起きているのか受け入れなくてはいけなくなりました。
師匠たちは、もどって残っている人たちに食べ物を与え、城の中で何が起きているのか聞きました。
知らないという上官たちは、時間になれば鍵がかかる城壁の扉。さっきの場所に居れば上の人たちが下りてきて話ができると言います。
でもさっきの人たちを気にして、中も多分と言葉を飲み込みました。
カギはいつあくのか聞くともうすぐだというのです。
師匠たちは立ち上がり、準備を始めます。
兵士たちは師匠たちに何者なんだと聞きました。
「通りすがりの魔導師です」
にっこり笑って言う、メガネの男に驚く兵士たち。
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