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それから、一ヶ月、やっと島に帰ってきたんだ。
「キャプテン」
「おーどうした」
おいらは船乗りにならないことにした。
どうしてだ?
だって、海の上、なーんにもないもん。
ハハハと回りにいる人に笑われた。
「そうか」
「デモね、おいらこれからは師匠の代わりにあちこちの国へ行く、だから皆さん、これからもよろしくお願いします」
「ということは?」
「ジャン、オイラ商人になったんだ」
ギルドの証明書を見せた。
船乗りたちはすごいなと頭をなででくれたんだ。
「にいちゃん」
「ジル兄ちゃん」
「行くぞー、ドライヤー」
「うわー、すげー」
「きゃははー」
「ほらちゃんと乾かさないとーこら待てー」
俺は魔法を教わっている。師匠のような力は少ししかないけど、魔石の使い方しだいで、魔法に近いものを使えるようになり始めたんだ。
「師匠、何作ってるんだ?」
「おージル、ジャーん、地球儀だ」
地球儀?
ここが俺たちのいる迷宮島、ここがモロア。
そう、オイラは、サウザンドアイランドからの帰り、キャプテンたちと一緒に、少しだけ遠回りをした。
この星は丸い。
師匠や佐々が行っていたのがよくわかった。キャプテンや船乗りたちも同じことを言っていたからだ。
地図は平坦で、これが丸いの?といっていたから師匠は作ってくれたんだ。
真ん丸い地球儀、おいらがいった島と海を指でなぞった。
「ジル、ここがお前の生まれたコア、育ったサラームール」と指差す。
「オイラ、すごい冒険したんだね」
「ああ、この距離は大冒険だな、いつか、カズやマコトに教えてやってくれよな、お兄ちゃん」
「うん、ウワー、忘れるとこだった、祭り、姉ちゃんが祭壇作り直してくれって」
「おー、やべ、やべ行こう、まずい」
俺の背中を押しながら師匠の部屋を出た。
師匠の部屋には変わったものが多くある。あの日、ローレンさんからもらった石は魔石で、ローレンさんと話ができるんだ。
遠く離れている人と話ができるんだすごいだろ?
師匠は、魔力がないと使いこなせないけど、これがもっと使えるようになるといいなっていっていたんだ。
オイラの旅は、この島の人みんなが豊かに生活するために必要な調査だ。
今はまだ、人が住んでいるところが少ないけど、着実に、北の島は復活しつつある。
祭りのとき、矢を飛ばし向島に火をつける儀式は残すため、ある程度の場所は人がすまないようにして、そこで放牧をはじめた。
のんびりと草を食む魔物を師匠は牛と名づけた。
祭りのときは、集めて保護する。
「うわー、すごい、ぐるぐるだー」
「お店がある」
「あんまり体を出すと落ちるぞ」
今日はお祭りに使う食器を買いに来たんだ。
アルモア国のぐるぐる道にはお店がずらり。
そして、高い断崖絶壁の中には人が住んでいるんだ。
明かりがつくときれいだよ。
それを見せるために観光船が作られた。
船の下は透明で泳いでいる魚とか海の中が見えるんだ。
今日はそれには乗らない、買い物が中心だからね。
いっぱい家が建ち始め、農家が増えた。
「魔導師様、これで終わりです」
「もうそれやめてください、シムラでいいですからー」
馬車の後ろは食糧や食器でいっぱいです。
「一番弟子、頼むぞ」
「はい、ありがとうございます」
「ジル兄ちゃん帰るって」
「うん、又きます」
手を振った。
「おそーい」
「お金を払ってきたんだよ、カズはお土産いらないんだよなー」
「え?ほしい、ねー、にいちゃん!」
「私は?私にはないの?」
「マイ俺に言うことは?」
「お兄ちゃん、ください」
「お兄様、ください」
それを聞いていた師匠が大笑いした。
「仕方がない、ほら」
「やったー、食べていい?」
「どうぞ、ほら」
「うー、兄ちゃんありがとう、はー、アマーい」
「師匠にも、どうぞ」
「おう、ミルクキャンディー、うまー、ジル、サンキュー」
「アー、又知らない言葉ダー」
「何、サンキューって何?」
「マイ、危ない、もう、後出な、後で」
「んー、父様はもう少し学校に行くべきですね」
「カズ・・・まあいいか、ジル、もう一個くれ」
「アー、父様ずるいー、お兄ちゃん俺も、俺も」
馬車の中はにぎやかだ。
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