第二話 外の世界へ

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第二話 外の世界へ

昼、子供たちが学校を終え、わらわらと店へやって来る。 「ちゃんと手を洗えよ」 「なんだか見たことのないのが乗っかってるね?」 すると、志村さん!と来たのは、教師だ。 アタリ貝、子供に食べさせるなんてというのだ。 大丈夫、火を通してあるから、当たるのは生、絶対うまいからと先生を席につかせた。 子供たちの給食は定食の子供番、ちょっと小さい入れ物で、自分たちでする事になっている。そう給食当番がいるのだ。 御昼よりちょっと遅い時間、席も一番奥で子供用の長いす、一般の人はこの時間は入れないようにはしてあるんだけどな。 「今日のメニューは牡蠣ご飯とひっつみじる、それと大根の漬物です、みなさん感謝していただきましょう。いただきます!」 いただきます! 今や、この島でひっつみを知らない人はいなくなったね。 子供たちのうまいという顔は最強だな。 彼らにはただで昼飯を提供している。 但し、学校へ行くことが条件だ。 今のところ、順調だ、貧しい人たちもこの島へ来たら働かなきゃいけないからな。 貧困で困っているというのは最初だけだ。 食事をしたら解散、バイバイという声に、どこか懐かしさを感じていた。 「どうでした?」 「うまかったです」 三日後はもっとうまいの食わせますと言ったら、笑って帰られた先生だった。 「ササ!これお願い」 「モエ、どこ行くんだ?」 「保育園、迎えに行ってくる」 ああそうか、頼むな。 「店長、ごめん」 ジル、今まで寝ていたのか? うん。 おでこに手を当てた。 「熱下がったな」 「手伝う」 そういって洗い物をもっていった。 「店長、おはよう」 「おはよう、悪いけど、外頼めるかな」 「今日は、焼きガキなんだよね」 「そう、オーナーがいるから聞いて」 「はーい」 「おはようございます」 「オウ、メグ、ここ頼めるか?」 「はい、えーと、定食は、給食と同じなんですね」 「少し多めな」 「はい、おにぎり、すごいなー」 「足りなかったら、下にあるからな」 「はい」 「みんな、お昼にするぞ」 交代要員がやってきた。朝から出てきているのが休憩になる。子供たちが出て行った場所にみんなが座り始める。 保育園だけは給食はなかで作っている、離乳食だったり、子供しか食べられないものもあるので、別にしてあるんだ。 「うま」 「おいしいなー」 「酒だな」 「リリア―」 そこへむすっとして客を睨む綺麗な女性。 「怒るなよ」 「飲めないの知っててワザとだろう?」 「そこは仕方ねえよな」 「店員だ、我慢、我慢」 「くそ―!早く今日終れ!」 アハハハと笑われている。 俺たちも昼食を終えるとちび達が帰ってくる。 「ただいまー」 「おかえり」 「只今、とう様」 「カズ、どうした?」 志村さんの息子は、座っている志村さんのシャツをめくり上げた。 「キャーエッチ―」 それに笑う人たち。 「おなかに穴が、開いてない」 なんだ?どうしたと集まるスタッフ。 アタリ貝を食べるとお腹に穴が開くんだと聞いたらしい。 それにみんなが大笑いした。 それは生で食べるとお腹を壊す人がいるからなんだよと教えると、そうなんだとほっとした、でも、ただいまー!と言ってもう一人も俺のシャツをめくり上げた。 「あな?」 「開くか?こうじゃ!」 きゃはは! 昼を終えるころ、牡蠣は牡蠣飯を少し残し。終了した。
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