第15話 報復の宴

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 そして、もはや起き上がることすら叶わないカラダの上に、男の重みが覆い被さってくる。 「い、いや……っ、お兄さん、やめて!」  ちゃんと呂律が回っているのかも自覚できないまま抵抗を見せるも、またもや荒いキスに押し込められてしまう。  なんとか動く両手で潤の肩を掴み、押して引き剥がそうとしてみるがやはり薬に侵された体に抵抗する術はなく、終いには潤の片手に軽々と両手首をまとめて頭の上に押さえつけられる。  潤の手は躊躇することなく、ニットワンピースの襟元を固く閉じているファスナーのつまみにその指を絡ませた。  チーッと小さな音を立ててファスナーが下げられていく中、キスをやめた唇が耳元で囁き始める。 「ねぇ、葵ってさ……いつも君とどんなセックスしてんの?」 「は……?!」 「アイツって昔から何でも器用にこなす奴だったし、一時は年上の女と付き合ってるって噂があったぐらいだし……セックスの場数も踏んでるだろうからテクニックだって相当なんじゃないかと思って。それに……」  ファスナーのつまみが、胸の下を通過していく。 「君って多分、元々は普通の女の子だったんじゃない? 特に色気もない、快楽に依存することもない、至って普通の……。それがアイツと出会って、付き合って、セックスしまくって、アイツの手で開発され続けて……」  ついにスカート部分の裾まで下げられたファスナーはカチリと音を立て、ワンピースの繋ぎ目が離れてしまった。  そして、ただの大きな布切れと化したワンピースの胸元が開かれ、薄いピンク色の下着を纏った肌に潤の視線が痛いぐらいに注がれる。
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