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第四章
月曜日。メソメソしているだろうと想像していたのに、思いのほか私の気持ちはスッキリとしていた。
きっと最後に思いっきり抱いてもらったからなのかもしれない。自分の気持ちを告白してけじめがついたのかもしれない。
だから新堂さんと顔を合わせたって、平常心でいられるはず。そんなことを考えながら、今日も給湯室でコーヒーを淹れていた。
「おはよ、乙葉ちゃん」
そこに入ってきたのは、仲野くんと清家さんだった。
「おはようございます」
「いい香り。月曜日ってだるいけど、乙葉ちゃんが淹れてくれるコーヒーの匂いを嗅いだら途端にやる気出るんだよなー」
そう話すのは仲野くん。短い髪には寝ぐせがついていて、どこかまだ眠そうだ。
「乙葉ちゃんは俺らのオアシスだから」
「そんな、大袈裟ですよ」
「だってこの会社、男ばっかだろ? 乙葉ちゃんがいなかったら、俺とっくに干からびてると思う」
清家さんてば……。相変わらず上手なんだから。
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