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でもみんなの支えになれているんだったら、嬉しい。新堂さんもそう思ってくれてるといいな。
過ちを犯してしまったけれど、また前みたいに普通にただの同僚に戻れたら……。
「倉田」
新堂さんの顔を頭に浮かべていると、突如低い声が響いた。
ハッとしながら入り口の方に視線を向けると、不機嫌そうな顔をした新堂さんが入り口にもたれるようにして立っていた。
「し、新堂さん。おはようございます」
「話がある。お前らちょっと外して」
……話? なんだろう。もう話すことはないような。
「え~俺らも聞きたいなぁ。混ぜてよ新堂」
清家さんがおちゃらけたように言う。だけど新堂さんはピクリとも笑わない。むしろ、二人に早くしろと言わんばかりに、目で威嚇していた。
「せ、清家さん。まずいですよ、行きましょう」
凍てついた空気を察した仲野くんが、清家さんを引っ張る。清家さんは「仕方ないなぁ」なんて零しながら、その場をしぶしぶ出て行った。
必然的に二人きりなり、緊張感が襲った。
「あのメモ、なんのつもり?」
二人の気配がなくなった瞬間、新堂さんが切り出す。オーラはぴりぴりしていて、目を合わせられず俯く。
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