第四章

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「倉田。聞いてる?」 「き、聞いてます。なんのつもりかと言われましても……」 「人のこと好きだとか言っておいて、意味わかんないんだけど」 自分の台詞をリフレインされて途端にかぁっと頬に熱が集まる。しかも会社でこんな……。 あの時は必死だったとはいえ、よくよく考えたら誰かに告白したのは生まれて初めてだ。 「あの、気にしないでください。私が勝手にそう思っているだけなので。もう忘れますから安心してください」 目を合わせず淡々と告げると、なぜか強引に肩を掴まれ、正面を向かされた。目の前にはちょっと怒った新堂さんの顔が。 「忘れる? 何勝手なこと言ってるんだよ。仮にお前がそうしたかったとしても、俺は忘れられない」 「え?」 「やっと俺のものにできたと思ってたのに、なんで逃げるんだよ」 真剣な眼差しに囚われ、目を瞬かせる。 やっとって……。まるでずっと私を欲していたような言い方……。 「あの……それってどういう? 新堂さんは責任感じてるだけじゃないんですか? 私がその、初めてだったからそれで」
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