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「俺、その子たぶん知ってる」
「さすが、繁華街で‘自称パトロール’という遊びをしている里ちゃん。あれ、誰?我らが若様がご所望なんだけれど?しかもマジときた。まともに須藤で行って引かれる時のことを考えてシンチョーに、声も掛けずに帰って来たんだ」
右京が喋るから里の知ってることが聞けない。
「里、あの女性の名前、年齢、職業もしくは学校、アルバイト、交遊関係、住所、家族構成…これらで知っていることを教えてください。それ以外のことも知っていることを全て」
「そんなの全然知らないけど、繁華街の入り口にまるって食堂があるだろ?」
「ありますね。唯一と言っていいほど、あの繁華街で独立している店です」
「あそこのお姉さんだと思うよ?店では髪をオールバックポニーテールにきゅっと結んでる人」
「名前」
「さあ?…クミって呼ばれていたと思うけど、それ以上は知らない」
「いつからおられますか?まるには1年ほど行っていませんけど、私たちも行ったことはあるんですよ」
「そうなの?」
「そうそう。何かあれば、あそこのゲンさんとは連絡が取れないと困るんだよ」
「うちの店と隣接していますから」
「なるほど…うーん…その1年ほどの間に来たんじゃない?」
まるか…近くにいるじゃないか…
「たまに繁華街の店に出入りしているみたいだよ?」
「明日、まるで飯」
「ちょうど1年ほど…ゲンさんに挨拶という体で参りましょう」
「それって、まんま‘須藤の若’だよね?いいの?」
「クミが繁華街の住人なら、どうせそこは隠せないところだ。明日行く…まだ攻めはしないから安心しろ、里」
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